シングルマザーの父親スイッチ

子育ての中で子どもに教えたい、伝えたい、ことはいろいろあります。
母親から、
父親から
それぞれ役割分担することでうまく伝わることがたくさんあります。
中でも「ここは曲げられない。」「親として譲れない。」
...というような、たとえ子どもが口答えしても親の意思をしっかり伝えなければならない時、
特に思春期などは、父親の出番が来ることがあります。
そんな時、シングルの子育てに難しさを感じる人は多いと思います。
こういう問題を考える時、いつも故:河合隼雄氏の示す"父性原理・母性原理"を心に浮かべます。
母性というのは、子どもを産み育てる中で子どもがどんなことをしても結局は包み込む...という"包含する"力で我が子と接します。 (子どもを育むという過程で、その包み込む力が子どもの安心、くつろぎを保障するのと同時に子どもの自立を阻むという否定的側面も持っています。
例えば、「もう○才なんだから、何でも自分でやりなさい。」と言いつつ、独立する子どもに資金援助するなど、言葉とは裏腹な行為をしてしまう。それをされることで子どもの心には「まだまだ助けてもらえる。」という感覚が芽生えるのです。言葉で発せられたものより、その裏にある真のメッセージが子どもの無意識に入り込み、知らず知らずの内に母親に呑み込まれる(まとわりつかれる)感覚とまだ甘えられる依存心が同居するという何とも違和感のある状態を作り出します。

それに対し父性は、社会の中で"個"を作り上げる為に、「ダメなことはダメ」とハッキリと示すことで、自立を促す厳しさを含みます。
とても簡単に解説しましたが、上記の母性と父性がバランスよく家庭に存在することで子どもが自己確立しやすい環境が作られるのだと感じます。 

■では、シングルで子育てしている場合はどうすればいいのでしょう?

普段の細かいことは母性主体のモードで、時には厳しく、時にはやんわりと子どもの様子をみながら 繰り返し伝えていくという姿勢が通常だと思います。
しかし 特に思春期以降、「社会の中で どう在るか?」という視点も含めて親が「これは譲れない、曲げられない」という主張をしっかりと伝えるべき時があります。
この時、母性モードで子どもの様子を伺いながら、やんわりと…というわけにはいきません。
子どもの将来をも左右させるような 親の生き様とも言える信条を伝えるのはやはり 父性主体モードが必要です。
父性が必要なら シングルマザーの場合はどうすればいいのか?
父性は父親だけが担わなければならないということはありません。
父親が母性的に母親が父性的に接している家庭もあると思います。
父性原理でいう父親モードというのは、曖昧さを許さない「切断」とも言える ハッキリとした態度が必要だということです。
親子の「馴れ合い」や「なぁなぁ」の感覚ではなく、どんな反発があっても 壁のごとく 強い態度をくずさない姿です。
日常の些細なことにそんな態度で目くじらをたてる必要はありません。
でも、「ココは!」という時は、口調、顔つきなどを変えて伝えることで子どもはいつもと違う母親に何かを感じます。
何か…というのは、簡単に言えば「本気さ」です。
逆に、いつもギャンギャンと口うるさくしていると いつが本気なのか…わからなくなるともいえます。
こんなふうに譲れない信条を伝えるには、母親自身に信条(固く信じていること)がなくては伝えることはできません。気分によって主張を変えていては、「本気さ」は伝わりません。
子どもは、親が必要以上に手をださず(過保護にならず) 邪魔さえしなければ、ある意味 自然に成長を遂げます。
しかし、思春期前あたりから「自分はこれからどうしていけばいいのか?」…と人生に不確かさを感じかけたとき父性の存在が必要となります。
シングルママとしての子育てに限らず、親が子どもの成長を考える時、手元で育むことだけに気を取られず、社会での問題解決能力を育てていくため、将来を見据えた時 “父親スイッチ”をONにさせることを忘れないようにしなくてはなりません。
母性の包含する、呑み込む、抱え込む…かばう愛ばかりでもなく、
父性の切断を意識しすぎて過剰な厳しさで子どもを破壊するでもない……
親自身が自分をしっかり持ち、子どもを心の目でしっかりみていることで
父親スイッチON!にするタイミングを外さずに済むのだと思います。
親自身「自分は何をしたいのか?何をしている時が楽しいのか?」…を知って生きていることが、子どもの無意識層に伝わっていると踏まえることで親の人生はずいぶん変わるかもしれません。
ひとつ戻る
HOME

(c)Reborn